最近、YouTubeなどで「年金は繰り下げたほうが得」という話をよく見かける。
確かに、日本の年金制度では受給開始を遅らせると年金額が増える仕組みになっている。
しかし実際には、繰り下げ受給には意外と知られていない落とし穴もある。
今回は年金の繰り下げについて、冷静に整理してみたい。
年金は最大84%増える
日本の年金は原則65歳から受給する。
しかし受給開始を遅らせることで年金額が増える。
増加率は以下の通り。
- 1か月繰り下げ:0.7%増
- 70歳受給:42%増
- 75歳受給:84%増
最大で約1.8倍になる。
これだけ見ると「絶対に繰り下げた方が得」に見える。
だが、そう単純ではない。
落とし穴① 損益分岐点がある
例えば
- 65歳受給
- 70歳受給
この2つを比較すると、損益分岐点はおよそ82歳前後になる。
つまり
82歳より前に亡くなれば
65歳受給の方が得
ということになる。
ちなみに日本人男性の平均寿命は約81歳。
この数字を見ると、意外と微妙なラインだと分かる。
落とし穴② 税金や社会保険料が増える
年金額が増えると、当然ながら所得も増える。
すると
- 所得税
- 住民税
- 健康保険料
- 介護保険料
これらも上がる。
結果として
額面ほど手取りは増えない
というケースも多い。
落とし穴③ 加給年金を受け取れないケース
配偶者がいる場合
加給年金(年間約40万円)
が支給される制度がある。
しかし、繰り下げ受給を選ぶとこの加給年金を受け取れない場合がある。
特に
- 夫65歳
- 妻65歳未満
という家庭では、繰り下げによって損になる可能性もある。
落とし穴④ 早く受け取って運用する選択肢
資産運用をしている人なら、もう一つの考え方がある。
65歳から年金を受け取り、その一部を投資に回すという方法だ。
例えば
- インデックス投資
- 新NISA
などで運用すれば、長期では年金の増額以上のリターンになる可能性もある。
もちろん投資にはリスクがあるが、選択肢の一つではある。
現実的な選択は「67〜70歳」
多くのファイナンシャルプランナーが提案するのは
67〜70歳受給
このあたり。
理由は
- 増額率がそこそこ高い
- 健康リスクがまだ低い
- 損益分岐が80歳前後
というバランスの良さにある。
老後設計は「年金+資産」
年金はあくまで老後資金の一部。
本当に重要なのは
- 年金
- 貯蓄
- 投資
この3つを組み合わせた資産設計だ。
老後を安心して迎えるためには、早いうちから資産形成を考えておくことが大切だと思う。


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