母の介護が始まった頃、僕たち夫婦の関係は少し揺れた。
妻の母が住む土地に、僕たちは家を建て、二世帯で生活している。
妻は、困ったときはすぐ親に相談する性格だった。
その性格が悪いわけではない。でも、介護という現実はそれだけでは乗り越えられなかった。
最初の大きな衝突
僕の親は、もともと田舎で一人暮らし。
腰を悪くして車にも乗れなくなったため、こちら側で生活させる案を妻に相談した。
結果は大喧嘩。
離婚一歩手前までいった。
僕は介護の現実を見据えて、最善の方法だと思った。
でも、妻には彼女なりの葛藤があった。
「親の世話は私が負担したくない」という気持ちも、当然あったのだろう。
最終的には、僕の親は妹の近くに部屋を借り、兄弟で通い介護をする形に落ち着いた。
今思えば、この距離感があったから、無理なく介護を続けられてるのかもしれない。
妻の変化
そこから、少しずつ妻は変わった。
以前は何かあると親に頼っていたが、最近は自分で考え、行動できるようになっている。
その変化は、介護の現場でも現れた。
- 母の通院に付き添ってくれる
- 食事や日常のサポートを手伝ってくれる
- 僕や親の気持ちを考えながら行動する
こうして二人で協力する経験を重ねるうちに、妻の僕への理解も、母への理解も深まっていった。
日常の小さな幸せ
最近では、母も腰の調子がよくなり、一人で散歩に出かけることも増えた。
通い介護は続いているけれど、以前のような緊張感や負担は少なくなった。
僕たち夫婦は、介護という大変な状況の中で、小さな協力や理解を積み重ねる喜びを知った。
喫茶店でゆっくりコーヒーを飲みながら振り返る時間も、そんな日常の一部だ。
10年ブレンドの一要素として
介護は決して楽ではない。
でも、この経験を通して、家族やパートナーとの関係を深めるチャンスにもなる。
10年ブレンドは、資産や健康だけではない。
暮らしの中の人との関わりも、じっくり混ぜていく。
喫茶店でコーヒーを啜りながら振り返ると、今日もまた、少しずつブレンドが進んでいるのを感じる。
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