母の介護の帰り、いつもの喫茶店の同じ席に座る。
気づけば、この場所で何度も家族のことを考えてきた。
妻のこと。息子のこと。そして母のこと。
50代で「人生を整えよう」と思ったのは、不安がきっかけだった。
健康、仕事、お金、そして親の介護。
けれど、こうして振り返ってみると、
整えているのは数字や仕組みだけではなく、
人との距離感なのかもしれないと思う。
10年後の景色
10年後、僕は60代。
母はどうなっているだろう。
妻とは、今よりも穏やかに笑えているだろうか。
息子は、自分の道を歩き始めているだろうか。
未来は分からない。
でも、今日の積み重ねがその未来をつくることだけは分かる。
徒歩通勤に変えたこと。
自重トレーニングを続けていること。
妻と本音でぶつかったこと。
息子の変化を、静かに見守っていること。
どれも派手ではない。
けれど確実に、10年後へ向かうブレンドの材料になっている。
整えるとは、削ぎ落とすこと
若い頃は、足すことばかり考えていた。
収入を増やす。物を増やす。経験を増やす。
今は違う。
整えるとは、削ぎ落とすことだと思う。
無理をしない。
見栄を張らない。
怒りを引きずらない。
そして、
大切な人との時間を、丁寧に扱う。
カップの底に残った最後の一口を飲み干す。
10年後、同じようにどこかの喫茶店で、
「あの頃は大変だったな」と笑えていたらいい。
そのために今日も、
少しだけ整えて帰ろうと思う。

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